2020年10月25日日曜日

店長小川の音楽うんちくリターンズ ~イコライザー~

 どーも!店長の小川です。


秋だなーキャンプ行きたいなー

近々行く予定はあるんですけどね。


さてさて、今回はについて考えてみましょう!


アンプ類やミキサー、エフェクターやアクティブベースにもついてますね。

EQとか略されますが、皆さんどう使ってますか?


まずイコライザーとはそもそも何?ということから探ってみましょう。

equal・iz・er…均一化するもの、等しくするもの

つまりイコール(equal)にする為のもので、本来は楽器を接続して増幅及び出力を行う過程でどうしても起こってしまう環境に依存した周波特性を補正したり、アルバムなど複数の曲を1つにまとめる際に曲ごとの際を均一化する。というのが元来の目的のよう。

現在は特定の音域を積極的に増減して音作りにも利用されることが多いですね

室内の音響特性の変化を狙った構造体もイコライザーとしてとらえる考え方もあります。エマスタジオの天井や壁にも見られるアレです。

今回はとりわけアンプ類のイコライザーについて考えていきたいと思います。


まず、イコライザーというと多くの方はBASS/MID/TREBLEみたいな3バンドイコライザー(2バンド以上、音響用ラックだと10バンドとかもっと多いものもありますね)

ベースアンプにはグラフィックイコライザーも多くみられます。

一部のアンプや昔のアンプにはパラメトリックイコライザー(パライコ)なんてのもあります。

実は本来、大きく分けると1つ目に挙げた3バンドイコライザーみたいなものも特定の複数周波帯をブースト/カットするという用途から、グラフィックイコライザーの分類となります。


一旦ここでイコライザーの分類についてお話します。

2通り2点ずつの分類があります。

  • パラメトリックとグラフィック

パラメトリック…選択した帯域のブースト/カットを行う。選択した帯域を中心とした帯域の幅(Q)も操作し、繊細な調整が可能

グラフィック…Qと周波帯があらかじめ固定されており、その帯域をブースト/カットする。複数の帯域(オクターブ単位で設定されていることが多い)が用意されており、多くはフェーダー(スライド式)を並べてある為、複数の帯域をどう操作しているかを視覚的に捉えやすい

  • シェルビングとピークディップ

シェルビング…ある帯域以上または以下をまとめて操作する。イコライザーの最低域と再高域はこれになっていることが多い。

ピークディップ…選択した帯域を中心に操作する中間にあたる帯域は基本的にこの方式をとる。


と、こんな感じです。ちょっと難しいですかね。DAWをされる方はよくわかって頂けたかなと思いますが…

まあこの辺は予備知識として持っておくと便利ですよという感じで。

今回特にお話ししたいのはですね。

センタークリック、ブースト/カット、フラット

この辺の言葉に関係する部分なのですが…


いろいろな場所でいろいろなアンプやミキサーに触れると思います。

さてここで問題です。

「イコライザーが全て0に設定されているとき、音は出ますか?出ませんか?」



正解は、「どちらもある」です。

アンプの機種、メーカーによって実はここが様々で、同じように操作しても同じ効果を得られないんです。(選択されている周波帯やQが違うというのもありますが)


さらに問題です。

「イコライザーの0って左いっぱいに回したとき?真ん中?」



これも正解は「どちらもある」です。

考え方の問題で、真ん中を0としてプラスマイナスとしている場合と、0~10で5を真ん中とする場合。

前者は”センタークリック”といって、0の位置でツマミがコツっとクリックする仕組みになっていることがほとんどです。


で、音を作るにあたって、イコライジング(均一化)するにはまず”フラット”、つまりすべての帯域において0の状態を作って、必要な帯域をブースト/カットする必要があります。

その上で、機器や空間の特性に合わせたイコライジングそして、積極的な音作りを行うわけです。


話を戻します。

”フラット”の状態についてどう捉えるか?について。

ツマミが0または‐(マイナス)いっぱいになっている時に音が出る出ないという違いがあるという点。これはイコライザーの電気的方式の違いであって、それぞれ特性は違えど設計上の目的は同じです。

ということは、「とりあえず真ん中にしとけ!!」フラットだと私は捉えています。

マイナスいっぱいにしたときに音が出ないタイプはいくつか選択した帯域を各コントロールツマミへ分けて増幅回路で増幅させている(帯域別のボリュームになっている)わけでして、もう片方は全体がすでにフラットな状態に対して操作点をいくつか設けているということ。

前者の場合、増幅回路というのは一定値以上に達すると歪む(オーバードライブ)というものですので、積極的な音作りの為以外では基本的には中心からマイナスしてイコライジングするのが好ましいかと思います。(JC-120は音が固くて耳に痛いと敬遠される方が多いのはそのせいかも)

後者においては、アンプやスピーカー、接続する楽器の特性上強く出てしまう部分をカット、弱い部分をブーストする形で演奏環境におけるフラットを比較的再現しやすいものになるかと。


同じ機種でもその機器の個体差、コンディション、環境でもちろん音色は変化しますので、

「このアンプならこのイコライジング」とやってみても、同じ音になることは基本的に無いと考えたほうが良いです。が、この場合そのいつもの設定をフラットと捉えてもう一歩突き詰めたイコライジングをすることで毎回ほとんど同じ音で演奏することができる可能性はグッと高まります。


縦フェーダーのグライコ以外では周波帯の表記は基本的に書かれていないので、何Hzまではわからなくても音を出しながらツマミをクイックイッと動かすと、そのツマミがどのあたりの帯域を選択しているのかが掴みやすいので、特に初めましての機材で試してみると作りこみやすくなります。

ちなみに、ギターやベース本体についているTONEツマミは回路的にはローパスフィルター(ロ―:低域 を パス:通す するフィルター)ですので、高域側から範囲を中域~低域へ広げながらカットするシェルビングのコントロールだと思ってください。(厳密には少し違いますが…)


そしてバンドの場合、特に中高域ではお互いの楽器の音でマスキング(別の楽器から強く出ている帯域にかき消されて同じ帯域の音が薄れたように感じる)されますので、一人で音作りするときは「ちょっとやりすぎかな?」くらいが実はちょうどよかったりします。低域はアンサンブルで混ざりにくい音域なので、こちらは欲張らずに気持ち控えめくらいがおすすめです。


ギタリストやベーシストには永遠の課題”イコライザー”。

少しの理解でも、それを材料に考えながら音作りをすることで断然音作りが楽しくなりますよ!



次回は色々な奏法についてお話してみようかと考えてます。


それでは!


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Hey Mercedes - Slightest Idea


イコライジングの神様。フロントマンのBobが在籍するバンドは、どこでライブしてもCDと同じ音が出ます。異次元…!

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